電帳法改正 2年猶予 何が猶予されるか
電帳法改正 2年猶予 何が猶予されるか?
2021年12月6日日経新聞に電帳法の2年猶予の記事が報道されて以来関係者においては大きな反響に振り回されているように思われます。そこで、改めて"電帳法改正の2年の猶予が何を意味するものか"の理解を深め、適切な対応について考えたいと思います。
★ 電帳法改正は始まっている
2年猶予の報道がありましたが、電帳法改正は2022年1月に施行されています。電帳法は次の区分で構成されています。
1 電子帳簿保存
2 スキャナ保存
3 電子取引
この中で改正されるポイントは次の通りです。
1 承認制度の廃止
2 タイムスタンプ要件の緩和
3 適正事務処理要件の廃止
4 検索要件の緩和
5 電子取引データの紙出力等保存の廃止
承認制度、適正事務処理要件が廃止され、タイムスタンプ要件、検索要件が緩和されますが、電子取引データの紙出力等保存の廃止、すなわち電子データの保存義務が課されることになりました。
★ 2年間猶予の背景
この中で「電子取引データの紙出力等保存の廃止」即ち電子メール等で受け取った請求書等のデータ、インターネットからダウンロードするデータについて、従来紙に印刷して保管されるのが通例でしたが、それが認められなくなります。受け取った電子メール等のデータ、インターネットからダウンロードするデータは、そのまま電子データとして保管しなければならなくなります。その為には、電子帳簿保存法に則ったシステムを使用するか、規定を作成し電子データのまま保管する必要があります。
これらのシステム的整備について市場の準備が追い付いていないのが現状です。2021年12月時点での市場の認識は次の通りです。
1 電帳法を知らない 15.2%
2 対応できている 16.4%
3 具体的に検討している 33.8%
4 いずれは検討したい 23.9%
5 導入は見送った 10.8%
この様な状況で、電子データ保管の義務化を実施することは難しいとの判断で、電子データ保管の義務化について2年間の猶予が決定し、2023年度税制改正大綱に組入れられました。
★ 2年間猶予される内容は?
2年間猶予される内容は次の通りです。
1 電子メール、インターネットからダウンロードするデータを書面に印刷することが2023年12月31日までの2年間認められます。
2 猶予が認められる条件は次の2つの条件が満たされることです。
ⅰ 所轄の税務署長が電子取引情報の電子保存が要件を満たしていないことにつき、やむを得ない事情があると認める場合
ⅱ 納税者が出力書面の提示に応じること
3 「やむを得ない事情」とは、「システムや社内体制が整はなかった」ということで説明は十分です。
4 但し、2年間にその整備をする必要があることを認識することが大切です。
5 電子データの保存について対応できないときには、罰則が科される可能性があります。罰則とは、具体的には「青色申告」や「連結納税の承認取り消し処分」等が考えられます。
★ 電子データの取り扱いシステム整備について
電子データを受領する立場で、どのようなシステム整備をすればよいか、要件をまとめます。
1 対象とする電子データは、主に請求書、領収書等のデータです。これらはメール、EDI等の電子データですが、実務的には従来からの郵送による 書類も変わらず、同時に取り扱う必要があります。
2 システム化を考えるとき、国税庁主導のデータ取り扱い要件に対応するとともに、業務の効率化を主題にすることを提案します。
業務とは、1 請求書、領収書等の受領
2 社内申請、決裁伝票の起票
3 決裁伝票の承認
4 支払処理
5 決裁伝票のシステムへのデータ登録
6 伝票のファイリング、移送、保管、廃棄
7 予算の策定及び予実の把握
等であり、その他関連する補助簿の記載、連絡業務などが派生します。
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1 経費支払管理システム
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