属人性からの脱却を可能とする資産・施設管理システム【第一回】
1 施設管理の2面性
施設は事業活動になければならないリソースです。その管理には2面性があります。
一つは資産面の管理であり、もう一つは施設としての実体管理です。ともに事業活動には欠かせない重要な
管理です。本稿では、資産面の管理を「資産管理」、実体管理を「施設管理」と称することとします。
この二つの管理は、従来別々の部署で行われてきましたが、近年に至ってIT化が進展し、同一部署で行われ
ることが多くなっています。特に金融機関ではその傾向が強いようです。
すなわち資産管理は、固定資産管理として経理部門で管理され、施設管理は、取得、保守点検、修繕・改修・
廃棄、などの実体管理を行う部門で管理されてきました。IT化の進展により償却計算が容易になってきまし
たので、実体管理を行う部門で資産管理を併せて行うことが合理的として統一されてきた経緯があります。
2 専門知識と経験により運用されている資産・施設管理
資産管理の対象は「固定資産税」の対象となる償却資産です。償却資産管理には「税務基準」と「会計基準」
の2つの基準があり別々に計算されます。
償却資産管理は、品目ごとの償却計算に加えて、減損会計、リース資産会計、資産除去債務計算が行われま
す。取得額、償却方法、耐用年数、供用日、圧縮記帳、等のデータから償却計算が行われます。
圧縮記帳は、直接減額方式、引当金方式、積立金方式など方式があります。また、建設仮勘定などの資産に
も対応が必要です。償却資産管理は、資産の現状簿価を把握するとともに、決算期においては法人税申告の付属明細書の作成を
行い、毎年1月1日時点では固定資産について地方税申告を行います。
施設管理の目的は、いかに安全を担保するか、とともに施設・機器の状態を最善に保って事業に供し、滞り
なく事業の遂行に貢献することにあります。そのために、常に保守点検を行い、修繕、改修を行い、清掃、
警備を行います。そして、万が一の事故や災害にも備えます。
管理の対象は、資産管理の対象となる償却資産のほか、大から小迄多彩なものを施設として管理する必要が
あります。それは次のような施設です。
土地、建物、付属設備、外構、駐車場、什器備品、車両、搬送設備、電気設備、通信機器、非常用発電装置、
OA機器、IT機器、空調機器、衛生設備、防災設備、看板、美術・工芸品、鍵、消耗品など
管理する項目も、管理する部門もそれぞれに異なります。多彩ですが、事業活動を円滑に進めるためにはす
べてに目をいきわたらせる必要があります。どこまで細かく管理するかは事業者によって異なります。
それぞれの施設は各種の法令でその管理が求められておりますので、定期的に報告や届け出が必要になりま
す。建築基準法、消防法、火災予防法、屋外広告物法、その他の法令があり、法令遵守は欠くべからざる管
理項目です。
このように、資産管理、施設管理とも、幅広い多種、多様な業務があって、対応するための知識の習得は容
易ではありません。専門知識を必要としますので、経験の積み重ねで対応することが多く、とかく担当要員
は固定化されがちです。これが属人性を発生させる元になり、問題となる場合が多発します。
問合せ先 株式会社テイルウインドシステム eRIMS事業部 営業 安達、山本
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